
今回は競技大会で活躍している日本人選手・世界トップファターより、得意技を抜粋して、「トップ選手の技術解説」をメインに取り上げていたいと思います。トップ選手の軽々と極める技の中には、その選手しか使わない、独特の技術が隠されています。そのポイントを分かりやすく、解説して、自分のものとして、使いこなすヒントになればと思っています。
次に「得意技の創り方」では、選手自身が持っている能力を知り、その高い能力を生かした技を開発しなければなりません。身長の差・脚力があるか・手業・足技の得意など分析できることが必要です。もちろん大切な「自分の間合いの作り方」を重要視しないと、全ての宝の技も持ち腐れになります。
この自分の間合いで戦うという事が、勝者への第1条件ですので、大切なポイントですが、突き技・蹴り技の習得よりも「間合い」を確立・つかむ・自分が相手をリードする・などの分野は大変難しく、対人相手の格闘競技なので、ステップを駆使し、相手との空間・タイミング・心の駆け引き・騙し・恐れ・驚き・などを理解して踏まえて行うことが大切です。
トップ選手の技術解説
- 永木伸児選手の二種類の突きの入り方・返し技
下から入る二段式ロケット中段突き(寄り足ステップ)、飛び込み上段二連発突き、後の先の右上段突き返し
- 松久 功選手の右拳上段突き
身長がある松久選手は、相手に対して蹴りの、間合いで立ち会います。全ての相手の攻撃を右で必ず返しています。。
- アレクサンドル・グエルノフ選手の後ろ足の回し蹴り・吸い込みの裏回し蹴り
世界で最速の回し蹴りの持ち主が放つ蹴りは、軌道を修正している。
- セェデイナ・バルデー選手の前足の上段回し蹴り
華麗な蹴りの持ち主であるバルデーの前足の上段蹴りも、軌道が変化している。
- アレキサンダー・ビィアモンティー選手の引き込み投げ
相手の攻撃を捌き、相手の力を利用して、崩している。自分から入る方法も紹介。
世界のトップ選手の丹念に作り上げた技ですので、簡単には真似できないと思います。しかし、コツを覚えれば、自分のものに出来るはずです。得意技と言われるまでには、試行錯誤して、繰り返しの練習が必要です。
得意技の創り方の共通点
自分の特徴・優れているところを把握し、その長所を最大限伸ばすこと。身長・パワー・スピード・ステップワーク・突き技・蹴り技のどこに、自分を生かせるかを考慮する。
共通して言えることを、書き出してみた。
- 前拳のリード・置き場所・使い方・(控え拳の使い方)
「左が世界を制する」とボクシング界で言われているように、前拳のリードが大切。攻防一体のテクニックを紹介。
- 「間合い」の確認練習
相手との攻防を一寸(3センチ)で見切る練習。これによって、自分の「間合い」を確認する。
つぶす・乗る・捌く・引き込む・流す・など。
- 中心線の置き方
大切な中心軸をどこにおくか?攻めて重視の姿勢・受け重視の姿勢などを解説する。どこに自分は、中心・重心を置いていて戦っているか?
- 膝の使い方
膝の角度・膝の抜き・踵の使い方・サイドからの膝使い・全てステップワークにつながる。
居つかないコンビネーション
- ワンツーからステップバック逆突き(前傾上段)
- ワンツーから左回し蹴り、右中段突き、右裏回し蹴り
- 逆・逆突きから、足払い及び裏回し蹴り
- ワンツーから切り替えて、右裏拳、右回し蹴り
返し技
- 相手右中段突きに対し、左前足を引く、前傾上段返し・左回し蹴り
- 相手右中段回し蹴りに対し、蹴返し中段蹴り、右上段突き
- 相手ワンツウに対し、切り返しの裏拳、右裏回し蹴り
- 相手前蹴りに対し、吸い込みの返し技
- その他
間合いを制すると言うことは、全ての戦いに通じることで、パワーとスピードが他人より長けていても、タイミングが外れていれば、勝負はOである。相手あっての間合いなので、出来る限り初見の相手とのスパーリングを行うことが大切です。何度も軽いスパーを心がけてください。
西村 誠司
[パワー強化トレーニング]