B 柔軟性を高める
育った敏捷性が、上位要素の可動性に高められていくためには、動的柔軟性という要素が加わらなければならない。動的柔軟性は、私たちが日頃から親しんでいる柔軟性、つまり静的柔軟性をベースに向上する。その為にまず、オーソドックスな静的柔軟性を十分に高める事が訓練されていくことになる。静的な柔軟性が十分に確保されたなら、それが動作の中で発揮されるようにシフトチェンジする必要がある。スポーツのパフォーマンスはつねに動きの中で発揮されるので、じっと動きを止めた時の柔軟性に優れているだけでは不十分である。いかに柔軟に動けるか、それが動的柔軟性の指標となる。静的柔軟性を追求するスタティックストレッチングに対し、動的柔軟性を追求する手法は、ダイナミックフレキシビリティドリルと呼ばれている。こうして、敏捷性と動的柔軟性がバランスよくトレーニングされることで、SAQの構成要素の1つで、「神経の反応」を中心に考える部分である可能性が向上する。
A 最大筋力を高める
パワーを向上させるには、まず最大努力で発揮できる最大の筋力を高めなければならない。筋力の向上には、神経の指令が筋肉を収縮させるメカニズムの効率を上げることと、筋肉自体が太くなる事である。最大筋力の向上には高負荷・低回数のトレーニングが中心になる。しかし、いきなり高負荷・低回数のトレーニングを実施する事は危険である。ウエイトを使用場合は、まずトレーニング動作に習熟し、筋力アップの効果が現れていることを確認して、それを3ケ月程度継続してから最大努力のトレーニングに移行してみると良い。
B 最大スピードを高める
筋力に速い動きが加味されて、初めてパワーという概念になる。パワーを高めるためには、筋力の向上と同時に動きのスピードを高めなければならない。強い筋肉を実戦的な速い動きの中で発揮させるためには、ある程度筋力が付いた段階でそれを速く動かす訓練を導入しなければならない。
このようにして、高められた筋力が最大の速さで収縮できるようになって、強さと速さの合力であるパワーがたかめられていく。