西村誠司組手組手テクニックセミナー指導内容トレーニング編・椅子を使います。

プライオメトリックトレーニング

トレーニングにはメデソンボール・縄跳び・ゴムボール・ジャンプバーなど利用しての全身運動をするのですが、今回は道具がないので道場で行えるジャンプを主体としたトレーニングを紹介します。プライオは現在、どのスポーツでも取り入れられており、空手界だけが遅い導入と言えます。

プライオメトリックトレーニングとは

プライオメトリックトレーニングとは、筋が短時間内に最大筋力(パワー)を発揮できるようにするエクササイズ。(スピード筋力が要求されるスポーツにおいて特に効果的である)

プライオメトリックのメカニズム

筋肉を急激に素早く伸展させることによって伸張反射の働きが生じ、その直後により大きな筋収縮(短縮)を得ることが出来る。
★筋肉を急激に素早く伸展させることによって、筋や健に弾性エネルギーが蓄えられ、その直後により大きな筋 収縮(短縮)を得ることが出来る。

プライオメトリックスの効果

筋の伸張ー短縮サイクル(ストレッチ・ショートニングサイクル)の機能を改善し、爆発的なパワー発揮能力を高めることが出来る。
◆爆発的なパワー発揮能力の向上により、これに関連するスプリント能力、ジャンプ能力、アジリティー(敏捷性)等を高めることが出来る。

プライオメトリックトレーニングの注意点

一定レベルの筋力を身に付けている選手で、疲労した状態で行わず、傷害のあるものに対しては考慮する。
★全力を出しきって行えること。続けることが無理な状態にならないこと。
連続だと約15秒間ノンストップ、回数で行くと6〜10回までが最大のパワーを持続できる範囲である。休みも行った時間は与えて、セット回数は3〜6セットが適当と言える。
◆全体の運動時間として約45分間ぐらいが、運動連続時間として最大だろう。その後になると最大パワーが発揮されないのでプライオトレーニングとして最適ではない。(爆発的トレーニング)

器具を利用しないトレーニング

ジャンプの種類
  1. スクワットジャンプ:静止状態からのジャンプ
  2. カウンタームーブメントジャンプ:沈み込んでからすぐに切り返して行うジャンプ(プレス型ジャンプ)
  3. リバウンド(バウンズ)ジャンプ:連続ジャンプやデブスジャンプの際に沈み込まずにすぐに切り返して行うジャンプ(リバンド型ジャンプ)
    (デブスジャンプとは台などから飛び降りてから行うジャンプ)
動作の4つのタイプと定義
  1. ジャンプ
    ・その場ジャンプ(移動を伴わない高さを狙った両足又は片脚ジャンプ)
    ・スタンディングジャンプ(水平方向、垂直方向、横方向への距離を狙った両足又は片脚ジャンプ)
  2. ホップ
    ・片脚又は両足で行う距離を狙ったジャンプ
  3. バウンド
    ・片脚又は両足で行う距離を狙ったジャンプ
    ・大きな水平スピードを伴う(ホップやジャンプとの違い)
  4. ショック
    ・強い衝撃による神経系の活動(特に伸張反射)を伴うもの
  1. ゆっくりランニング中、ダッシュを加えて急には止まらないでランニングを続行し、ウォームアップ。3周
  2. ダッシュトレーニング。20メートルほどを全力で走り、急にストップしない事。5本
  3. 同じ(スプリントのスタートフォームを大切にする。前傾姿勢になる)5本
  4. シャトルトレーニング。2度往復するが2度目は半分で折り返す。 10メートル5本
  5. 前傾姿勢で膝を早く繰り返し上げる。10メートル2本
  6. スキップステップ 10メートル2本
  7. ハイスキップステップ(膝を高く) 10メートル2本
  8. 両足をそろえて手の反動を付けてジャンプし、5回飛ぶ。
    折り返しは更に遠くに着地出来るように。2往復
  9. 上記の飛び方を連続して止まらずに飛ぶ。折り返しは更に飛ぶこと。2往復
  10. 片足づつ交互に遠くに飛び、3回目は両足で着地。折り返しは更に飛ぶこと。 2往復
  11. 片足ジャンプの時に2度膝を上げ、更に高く飛ぶ。10メートル2本
  12. 両足そろえてジャンプするが、2度目は更に高く飛び片手を空高く上げる。10メートル2本
  13. 膝を上げ、両足を抱えた状態(タック)になるジャンプ 。15〜40回
  14. 両ヒール(踵)をお尻に付けるような(タック)ジャンプ 。15〜40回
  15. スプリットスクワットジャンプ(前屈立ちをジャンプしながら)。10メートル2本
  16. 脚を入れ替えるスプリットスクワットジャンプ(交互に)。10メートル2本
  17. スプリットパイクジャンプ(両足のつま先にタッチする)。10メートル2本

アドバイス
ウォーミングアップに当たるスタートトレーニングはフォームが大切。
反応のトレーニングなのでだらだらと行っても効果はない。
ジャンプトレーニングは踵から着地しないこと。
故障のあるときは絶対に行わない。

[国内セミナートップに戻る]