フィンランドでは、空手が人気を博すようになった1970年代から1980年代にかけて、南部を中心に、多くの空手道場が設立されました。
フィンランド東部の小さな町・ヨエンスー (Joensuu)にあるJOEN MAWASHI 支部道場は、1975年に代表のニコ・ウトリアイネン(Niko Utriainen)先生〈JKF和道会六段位〉が設立し、2010年にJKF和道会の支部道場として登録されました。
ニコ先生は、JOEN MAWASHI 支部道場の他、国内の複数の場所でセミナーを開き、指導にあたっています。
ヨエンスーでは当初、COVID-19の感染が抑えられていましたが、その後、感染者数の増加を受けて、2020年3月中旬から5月中旬まで、道場での稽古が休止となりました。
「各地で参加者が減少し、多くのセミナーで稽古を中止したところもあります。用心深さは悪いことではなく、注意を怠らなければ、再び稽古を休止することにはならないと考えています」。
JOEN MAWASHI 支部道場の道場生は150名ほどで大半は子どもたちです。複数の指導者がそれぞれのグループを教えています。
6月から徐々に稽古を始め、9月には新たに15名が入会、本格的に稽古を再開しました。この時期に入会があったことにニコ先生は驚いていました。
ニコ先生の空手歴は20年を超えます。隣国のスウェーデンに拠点をおいていた大上眞吾先生から、多くの教えを受けました。大上先生は残念ながら2019年にご逝去されました。
ニコ先生は普段、ICT関連の仕事をしています。
「空手の指導者として生計を立てると、空手が楽しいものではなくなってしまう」と思ったからだといいます。
「私は空手を教えることが大好きです。たくさんの方々に空手を教えることは挑戦であり、それは、私だけでなく、相手にとっても成長を意味するからです。日本の指導者が開催するセミナーに定期的に参加したいと考えています。また、COVID-19が終息したのち、フィンランドのセミナーに志村耕一先生を始め、日本の先生方を招待することを楽しみにしています。みなさん、お元気でお会いしましょう」(ニコ先生)。
体の動かし方を解説するニコ・ウトリアイネン先生
初級者クラスの練習の様子
初級者を指導するニコ・ウトリアイネン先生