2007 USオープン国際空手道選手権 日本チーム参加報告書

 この度、4月7、8日にアメリカネバダ州ラスベガスにおいてとり行われたUSA OPEN KARATE CHAMPIONSHIPに日本よりチームを編成して参加してきたので大会報告をいたします。日本出発日である4月5日、和銅会選抜メンバーを中心に4流派から幅広く集まった総勢75名が日本各地より集まり、選手年齢も幅広く、下は7歳から上は27歳と幅広い年齢層での参加。それぞれの空港で結団式が行われた。各団体引率のチームリーダを先頭に、親御さんたち協力の元で無事に出国手続き、アメリカ国内線乗り継ぎを経て15時間の長旅の末、大会会場兼滞在ホテルであるシーザースパレスホテルへと到着した。体調を崩した参加者もいたものの、何とか大会当日までには出場選手全員が大会に出場することが出来た。

 まず初日に形の部が行われた。日本チームは、普段とおりの素晴らしい形を打つことができジュニアチームらの健闘により数多くのメダルを獲得することができた。また、団体戦では出場メンバーだけでなく保護者含めた日本チーム全員での結束力により、金銀独占という素晴らしい結果となった。形の部を応援していて、海外の選手たちから「JAPAN is NO.1」という会話が聞こえ、日本チームのウォームアップや出場試合になると多くの参加者が見学にきていたのは日本チームメンバーとしてものすごく誇りに思えた。

 2日目の最終日は組手個人戦の部。各階級に分かれて日本チームはジュニアメンバー中心に大健闘し、特に中学生チームは非常に中身の濃い試合展開になった。また、賞金クラスでは世界トップレベルの試合を間近で見ることができた。現在子供たちにとって日本の空手道では、野球で言うイチローや松坂といった“憧れられる選手”を目の当たりにする機会が少なく、それゆえに夢や憧れを持つことができないという欠点があるが、USAオープンに遠征することで、その憧れられる選手を目の当たりにすることができる。このことは、日本という閉じた社会では経験できないことを、視点を世界に向けることで夢は大きく広がるという教訓につながり、日本の将来を背負う人材育成としては教育的にもものすごく効果的であるといえる。明日の空手道や日本の未来を背負う子供たちにとって貴重な経験になったと想う。

 今回、このUSAオープン大会に参加し、西村先生がかねてよりセミナーなどで力説していた「ジュニアには世界に対する、扉を開いてあげること。世界の空手に夢と憧れを持ってもらう。また全日本ナショナルを目指す若者は、日本の空手から、世界の大会に出て、戦いの中から世界の空手の研究を行うこと」の真意を経験を通して体全体で感じることができた。ぜひ、より多くの空手愛好家にこの大会に参加し、人生の糧としてもらいたいと心より願う。

男子組手個人戦賞金クラス参加

大分大学空手道部 監督 中西理