11月9日〜10日の2日間、福岡県福岡市東区にある海の中道海浜公園青少年海の家において、現・ナショナルチームコーチでもある西村誠司講師による第6回組手テクニックセミナーが開催された。今回のセミナーには、氏の兄貴分でもあり、第6回世界大会無差別級優勝・元ナショナルチームコーチでもある村瀬一三生講師を迎え、参加者も遠くは広島県から、また九州の有名強豪校などの高校生を中心に約260名が集まった。
 セミナーはまず、村瀬講師による『必勝の間合い』からはじまった。脱力・呼吸を中心に基本練習を繰り返し、生徒たちは氏のハイレベルな指導に満足な様子で練習していた。
 翌朝の練習は朝6時の西村講師による『器具を使用しない筋肉トレーニング』でスタート。アイソトニック(一人が寝転びもう一人がその上に乗って下にいる人間が上の人間を持ち上げる事を繰り返すトレーニング)とアイソメトリック(壁などの動かないものを押すことによって得られる反作用でトレーニングをする)という動と静の対照的な筋力トレーニングを行った。
 次の朝食後の練習では、同じく西村講師によるロープを使ってのトレーニング法が披露され、競技中、自分のスタンスを崩さずに相手を翻弄し勝利をするという実践を意識した指導がされた。大半の生徒がついていくのにやっとというような雰囲気だったが、各練習の間には、習ったことをノートに書き出す時間を設け反復し、体と頭に刻み込むという徹底された指導で、セミナーの後半には生徒たちもスムーズに動きができるようになっていた。
 午後からは、高校や道場の生徒たちでの交流試合が行われ、生徒たちも然ることながら、指導者たちも気合が入った熱戦が繰り広げられた。
 2日間のセミナーではあったが、練習中には常に他団体の選手同士でペアを組むようにとの講師陣の指示もあり、空手技術の向上だけではなく、交流を深めるという面においてもプラスになるセミナーであったと思う。
 このセミナーから未来の世界チャンピオンが多数輩出されることを期待したい。

   
内容  
 

西村誠司指導内容
筋力トレーニング指導内容
村瀬一三生先生の指導内容

9日(土)
13:30〜16:30 組手セミナー(村瀬先生による「間合いを制する」)
17:00〜18:30 夕食・入浴 指導者懇親会(希望者のみ\5,000)
19:00〜19:00 復習練習(本日習ったものを自己練習します。)
20:30〜20:30 「ナショナルチーム最終選考会」ビデオ研究会・就寝

10日(日)
6:00〜7:00 ランニング・スピードトレーニング・終了後朝食
9:30〜11:30 組手セミナー(西村による「組手に生かす基本応用動作」)
12:00〜13:00 昼食
13:30〜15:30 団体戦(各団体指導者審判による)・解散

   
セミナー参加者による感想文  
 

第六回西村先生組手テクニックセミナーに参加して

広島県ジュニア強化指定選手 谷村 翔太(中学二年生)

ぼくは去年もセミナーに参加しているので、これが二回目のセミナーでした。前回すごく勉強になったし、今回は内容も違ったので、とても興味を持って参加しました。
 村瀬先生からは、間合いの取り方を学びました。よく理解できました。
 西村先生からもたくさん習いましたが、特にロープトレーニングが難しかった分、絶対に会得したくて、一生懸命取り組みました。筋トレも、きつかったけど頑張ってやりました。帰ってからも、自分でやったり人に教えてあげたりしています。
 指導して下さった先生方や、お世話になった福岡大学の先輩方に感謝しています。それと、高校の先輩方と組んで練習できたことも良い経験になりました。ありがとうございました。
 セミナーに参加して、本当に良かったです。また刺激を求めて参加したいです。


西村先生のセミナーに行って

堂前 建

 僕は、大野、藤井、栗崎、谷村、堀越、末山の七人でセミナーに行きました。
 1日目は、帝王と呼ばれた村瀬先生による練習でした。始めに、基本の練習をしました。号令を掛けるピッチがとても速くてしんどかったです。でも、それは村瀬先生がわざとしたらしいです。僕達がちゃんと出来ていなかったのは『呼吸』でした。技と、呼吸が同時に決まっていないのが、疲れる原因でした。呼吸を注意してもう一度基本をしてみると、余り疲れなかったです。
 次に『間合い』です。絶対にしてはいけないことは『居着く』事です。足さばきの練習をしました。この練習は、強化練習の組手の練習で、野島先生がやるものに似てました。これはそれほどまで難しくなかったです。
 二日目は、西村先生による練習でした。朝六時から、広島で日本のナショナルチームがやっている筋力テストの一部をやりました。両足で三段跳びをして8mを越えるというのはできませんでした。その後にやった、腕立て伏せをして飛ぶやつは、32回できて、合格ラインを越えれました。
 9時から練習を再開しました。相手が動くのに体を反応させるのが困難でした。先の先の練習でした。沢山の人と練習が出来て、どのようにされたら自分が嫌なのかよく分かりました。
 今回のセミナーは、僕にとって2回目だったので、余り緊張することもなく、楽しいセミナーでした。これから高校生になるけど、前回と今回のセミナーでメモしたことを大切にして頑張っていこうと思います。


第六回西村誠司組手テクニックセミナーに参加して

ジュニア強化指定選手 米山 和哉

ぼくが、このセミナーに行こうと思ったきっかけは、とにかく強くなりたかったからです。同じ道場の人よりも、誰よりも強くなりたかったです。だから一つでも多くの練習に参加して、練習しようと思いました。このセミナーはぼくみたいな中学生には、少し言ってることがむずかしかったけど、筋力トレーニングぐらいはわかりました。
毎日筋力トレーニングしようと思っても、うで立て、腹筋ぐらいしか知っている筋力トレーニングがありませんでした。でも、このセミナーで先生に色々な方法を教えてもらって、それに何回できたらいいとか、何メートル飛べたらいいとかそういうのもわかってよかったです。これから続けてやっていこうと思います。


西村先生のテクニックセミナーに参加して

栗崎 康臣

今回西村先生のテクニックセミナーに参加させていただき、よく西村先生が言っていたのは最大パワー、スピードのことについてが多かったです。最大パワーは一つの動作に使える最大のパワーのことでパワーを最大にする練習の中で自分が一番いいと思ったのが前屈の体勢で膝をゆるめて片をうちに入れてその体勢を保って拳を相手に押してもらって肩と体勢が崩れなければ最大パワーが使えているということになります。それができてから組手の移動に取り入れていきました。
 移動では最大パワーを使いながらスピードやスナップを使わなければならなかったのですが僕はできませんでした。まだまだ練習して最大パワーを使いこなせるようになりたいです。そして道場の子達にも教えてあげたいです。まだまだたくさんあったのですが今回はこれだけを集中的に覚えていきました。
 今回は本当に良い体験ができたと思います。


西村先生のテクニックセミナーに参加して

大野 純

 今回西村先生のテクニックセミナーに参加して最も印象に残ったのは「空手に必要な最大パワー・スピード」についてでした。それは一つの動きに必要な筋力を最大にするための静的、及び動的筋力トレーニングで、やってみるととても大変で、いかに普段使っていないかが分かりました。
 練習では「回転運動での連続攻撃」や「スナップの動きを手足に取り入れる」などの課題に取り組みました。「大切なのは途切れることのない動き、柔らかな動きを自分のものにすること」と言われ、組手でのリラックスと柔軟な動きの重要性を知りました。
 今回、いろいろ教えていただいた事を道場などの練習で活用していきたいと思います。