和道会指定選手派遣・感想文
ドイツ遠征を終えて
福岡大学 一年 塩満 さや香
今回、日頃日本では経験出来ないような、大規模かつ国際的な練習に参加させていただいて、技術面に関しても本当に多くのことを学び、気づかされました。
まず、海外の選手と練習をしていくなかで何よりも痛感したことが、日本人選手ではあまり見ることの出来ない、海外選手特有の膝の柔らかさと膝下の器用さでした。常に柔らかく大きなステップを踏んでいるため、最初は「リズムを合わせやすいのではないか」と思っていたのですが、実際には膝が柔らかいために、突きも蹴りも日本人以上にはるかに伸び、とても間合いが取りにくいことに気づきました。私は試合の中で、動きが硬くなり自身のリーチを生かせていないことが多いので、この膝の柔らかさはこれから自分の組み手にあった形で取り入れていきたいと思いました。この膝の柔らかさがあるからこそ、内からも、外からも様々な角度からの蹴り技や多様な膝下の動きが出来てくるのだと思いました。
また、私達は日頃の練習の打ち込みの中で、どうしても定位置から綺麗な形を作ってから打ち込み始めてしまいますが、海外の選手は常に大きなステップを踏みながら、色んな角度打ち込んできます。このように常に試合と同じステップと感覚で打ち込むことで、相手からのカウンターを取るときのチャンスを見逃すことが少なくなるのではないかと思いました。しかし、先輩方と話している中で海外の選手はワン・ツーのようなステップの多い動きには確実に反応できるのに、ダイレクトにワンステップで入り込む技には反応しきれない時が多いという意見もあり、これからの練習の中で研究し、探っていきたいと思います。
このように、ひとつ・ひとつの技について色々勉強させていただいたのはもちろんなのですが、それ以上にこのキャンプで気づかされたのが、海外の方々の空手に打ち込む姿勢でした。サマーバケーションという日本にはない時期が重なっていてこともあるのですが、子供たちよりも、大人の人が多く、色帯を締めて頑張っている。または、80歳をこえたお婆ちゃんが自分たちと同じ練習をこなすなど、日本ではなかなか見ることのできない「空手を一生の趣味として楽しむ人々の姿」がそこにはありました。私はそんな雰囲気が楽しくて、この一週間いきいきと自分の空手が出来たような気がしました。そして、この向上心を見失うことなくこれからの練習に励んでいきたいと思います。
また、日本でも高いレベルで活躍されている先輩方と今回のように一緒に行動させていただいた事でも色々と学ばせていただくことが多く、本当にいい経験となりました。
最後になりましたが、今回このような貴重な経験をさせていただく機会を与えてくださった西村先生を始め、私達選手のためにご支援・援助の配慮をしてくださった和道会各位の先生方に心より感謝しています。本当にありがとうございました。