7月29日() キック&ゴ〜ン(?)

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まだ元気一杯の三人です

今日もとてもきついスケジュールが待っています。
でも、がんばって行きたいと思います。同室の三宅さんはだいぶ疲れているようで ヘロヘロです。これからどうなるんだろう!?
部屋に戻ると二人ともすぐに寝てしまいます。

佐々木海旅日誌より

練習2日目。
この日も、前日と同じく、自分と佐々木海君は、9時〜10時15分の組手スペシャルコースへ、西山すずみさんは、形スペシャルコースを受講した。
ただし、10時15分〜11時30分に、西村先生のクラスが別ホールにてあったため、自分と佐々木海君は、少し早目の10時に受講を早退し、西村先生と合流して、西村先生のクラスのアシスタント兼受講を行うことになっていた。

この日の講師は、Gunter Mohr先生とBoskobic(ボスコビッチ)先生。
主任講師は、Mohr先生であった。
Mohr先生は、いわゆる『居着き』を無くすトレーニングを行っていた。

最初、力を思いっきり抜いて、技とフットワークを止めずに出し続けるトレーニングから始まった。
このとき、一方が攻めている間は、片一方は、ひたすら受けに転じ、技が途切れた時に、攻撃に転じることを、時間いっぱい行い、どんどん相手を変えて、行っていくという練習方法である。
その後も、刻みの突き返し、中段逆突きの突き返しなどを行ったが、ひたすら力を入れて行うのではなく、動き続けることを要求された。

当然であるが、突きは、きまっていなければならない。
フォームチェックトレーニングではなく、力を抜いた状態でも、極めは、しっかり入れて、しかもフットワークはとめてはならない。
この状態の極めは、突きの弾きと言ったほうが分かりやすいかもしれない。
ゆるやかに動いていても、突きは、しっかりとコントロールして弾く、そして残心を取りながら、間合いを切るといった動作を反復して体に叩き込んでいるのである。
我ながら拙い表現法で、悲しくなるが、イメージはうまく伝わっているだろうか…?

さて話を元に戻すが、これが本当に下半身にくるのだ。
前日の、Devigili先生のトレーニング内容の注意点にも書いたが、突き終っても、腰を落として、間合いを切る、切ったらすぐ詰める、受けに回っている間も気を抜かず、しっかり相手を見て即座に反応できるように準備しておくといった、基礎中の基礎を叩き込む練習であった。

本当に当たり前といったら当たり前なのであるが、こうした基礎の注意点を流さないように自分で意識することが受講生には要求されているのであり、指導者側は、こうした反復トレーニングは、総じて集中力が途切れやすいため、その集中力が持続できるように、時間をきっちり区切って、しかも相手をどんどん変えさせることで、『慣れ』の状況を作り上げないようにしているように感じた。
だから、時間の区切りは、非常に短い。
どんどん、どんどん行われていく。
ただし、全体の練習の感じを講師の先生はよく見ている。
受講生の練習状況で、悪い点が見つかると、練習の切れ間にきっちりと先生の考えを再度伝える。
その教え方は、端的なので、分かりやすいうえ、非常に短い。
言葉がわからなくても、集中して動きを見ていれば、良い例・悪い例を本当に的確に表現して見せてくれるので、よくわかるようになっている。

また、本セミナーには、体格的に、様々な人が来ている。
従って、同じ間合いは、次の相手には、決して通用しないことが多い。
相手によって、きっちりと間合いを見定める必要性を改めて実感した。

10時になり、Mohr先生並びにBoskbic先生に一言あいさつをして、教室を出る。
表には、西村先生がすでに到着して、我々を待ってくれていた。

10時15分〜11時30分まで、ジュニアコース、11時30分〜12時45分まで、続けて同じホールで8〜9級コースがあった。
この両クラスも基礎体力トレーニング・反応系トレーニング・基本技・フットワークトレーニングが中心になっていた。
まだまだ、基本的な技術が未熟な生徒が多かったため、非常に和やかな雰囲気ではある。しかし、西村先生の練習に参加された方はわかると思うが、練習内容は、しっかりと密度の濃〜いものであった。
自分もだんだんと体力が削られていっているのが、この頃、ようやく実感として出だしてきていたのである。

この日のお昼ごろから、口数が減ってきているのが、自分でもわかっていた・・・。

さて、午後のセミナーは、まず、14時〜15時15分のWolf(ボルフ)先生によるセルフディフェンスクラスを受講する。
いわゆる護身術というもので、技の入り方や、柔らかい手の使い方など、非常に勉強になった。
続いて、15時30分〜16時45分のFugazza(ファガッツァ)先生の形の講習を受けることにした。
西山すずみさんは、このセミナーの形の講習に、すっかりはまりこんでいて、非常におもしろそうに話されるので、興味がそそられたのもある。
このセミナーの主催者のMohr先生は、松濤館の方なので、セミナーに呼ばれている講師の先生も松濤館系の方が多く、Fugazza先生も松濤館である。
指定形の習得は、今後の指導資格の勉強の上で、大いに役に立つとも思ったので受講することにした。
受講内容は、「燕飛」と「慈恩」であった。
もともと自分は、糸東系のため、これらの形に造詣はあまりないのだが、以前、松濤寒流の空手をしていた後輩から、基本や移動を習ったことがあり、また、地方の形講習会で、何度か練習したことがあったので、順番を覚えて、しっかりと打つことだけに専念することにした。
Fugazzo先生は、60歳前の方であるが、一つ一つの動作がしっかりとしているうえ、スピードも正確さも併せ持っておられる。
さすがにイタリアナショナルチームのコーチ!!
しかも、分解を非常に大切にしておられ、単に順番をやってハイ終わりではなかった。
分解組手を受講生に教え、二人組で、その練習を行った。

しかし、この形のセミナーは、非常に人気のある授業である。
大勢の受講生が、広いホールにわんさかと押し寄せていた。
Fugazzo先生の指導にも当然熱が入る。
Fugazzo先生の血管が切れそうになるぐらい(西村先生談)力の入った指導であった。

本日最後のセミナーは、われらが西村先生の1〜3級コース。
さてこの授業内容、段クラスに近いクラスなので、当然、テクニック内容は下級クラスよりもはるかに高い!
ではおまちかね、練習内容は・・・
そう、先生の18番、KERIWAZAなのだ!!!
そして、アシスタントはわたくし、体がぼろぼろと崩れかけている三宅が相務めることになっている。

先日の西山さんのレポートを読まれた方は、自分の失態が何であったのかはお気づきでしょう。
そう、時間を読み間違えて、先生の講義に遅刻してしまったのだ…。
そこに、光栄な先生のアシスタントを仰せつかり、感動の中で死にたいとその時は思ったものだ。

投げ技同様、一瞬の気の緩みが命取りのこのアシスタント業!
本気で、捨て身で、必死になって務めた。
必死の形相で、
「最初に何をするのか教えておいて下さい!!!」
と頼み込んだ。
西村先生は、優し〜〜〜〜い笑顔で、
「大丈夫だから」
とおっしゃって下さった。
もう信じるしかない。

最初のほうは、一本技。
中段相突きから接近しての内回し蹴り。
まだ大丈夫…。
次は、同じく中段相突きから、飛び中段後ろ回し蹴り。
そう、数々の人間を葬り去ってきたあの技である。
言われた瞬間から、腹筋に力を込めるタイミングだけに全集中力を持って行った。
先生のことだから、中段突きを放ったら、間髪をいれずに技がくるに違いない。
ここだぁ〜〜〜!!!
と全身全霊を込めて腹筋を固めた。
ドスッ!
重たい鈍器でありながら、突き刺さるような相反する衝撃が腹に伝わる。
耐えた。
二発目、少し体側部分に蹴りが入る。
ああ、これが、数々の人間のあばら骨を破壊したけりかぁと体感した。
耐えた。
三発目。
やはり少し体側部分に蹴りが極まる。
腹筋は、なんとか持ちこたえてくれた。
しかし、あと何発耐えれるだろうか…と不安になっていたところで、お手本の時間は終わった…。
一つの山場は乗り切った。
どうやら五体満足のようである。
ふぅぅぅ〜〜。
本当に少しだが気が楽になった。

しかし、本当のピンチは、ここからであった!
技は、だんだん連続技に入ってくる。
そして、急にその時が訪れた。
西村先生は、「やめ〜〜」をかけた後、
何気なく、
「三宅君、構えておいて」
とおっしゃるので構えていた。
まず、中段回し蹴りが飛んでくる。
そして、外側に蹴り足を流した。
現在先生の体は、足が交差状態。
説明がないので、どちらかにヤマを張るしかない!
そこで、自分は、蹴った足が蹴り返されるほうにヤマを張った。
ところが・・・
なんと先生の体はそのままぐるりと反転し、なんとヤマを張った反対側の足から後ろ回し蹴りが飛んできたのだ、しかも上段に…。

皆さん、さようなら。
空のお星さまになってきます…。

ゴ〜〜〜ン…。
と側頭部に鈍い音、同時に見える煌めく星々・・・。
だがどうやら倒れていない。
そう、幸いなことに、こめかみの僅か上、頭部の固い所にヒットしたのであった!!!

「大丈夫か」
と声をかけて下さった。
「大丈夫です!」
と答えると、
「どうしてよけなかったんだ?」
と聞かれたので、
「前もって教わっていなかったので、ヤマを張ったら反対側が飛んできました」
と正直に答えた。
その瞬間に、大笑い。
急に英語で
「Are you all right?」(大丈夫?)
と聞かれたので、
「Don't worry! But please tell me!」(大丈夫です。でも、教えておいて下さい!)
と応答すると、満面の笑みで、
「It's secret!」(そりゃあ、秘密!)
と返された。
何事もなかったし、このやり取りで会場は大いにウケた。
いや、本当に助かった。
あと少し下だったら、本当にただでは済まなかったと思う。
これぞ体を張ったネタであろう。
芸人なら、言うことはあるまい…。
確かに、関西人気質は満足できたのだが…。

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三宅君大奮闘です

以上、第2段の心の叫びである。
やはり、セミナーの活気や練習内容について、書ききれないのは、勘弁されたし。
西村先生の技は、本当にすごい!
素晴らしい!!
でも、やっぱり、体で味わうのは、恐ろしい!!!

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サイン攻めになります

さて、心の叫び集は、ここでおしまいなので、最後にきちんと説明しておきます。
実は、先生のセミナー内容は、かなり奥が深いのです。
もし、字数制限なしに書けば、かなりの内容を書く自信があります。
ただ、こうした技の派手さだけに目を奪われていると、本当に大事な足さばきや技を仕掛けるタイミング、入り方など、様々な重要ポイントが見落とされてしまいます。
ぜひ一度、生でご覧になるのが、一番の勉強だと思います。
生で食らうのも、もちろん見る以上の勉強になります。
ただし、保障は致しません。

というわけで、この後の行動については、西山すずみさんのレポートをご覧ください。
本日も御拝読ありがとうございました。

三宅遵旅日誌より

三宅先生、私もこの旅1番の心の叫びを、書いても良いですか?
いや、書かせてください。(熱望)

最悪の朝です。身体は魂が抜けたようにだるいし、心も暗い。 4時に目覚め、何故かその時間から洗濯をして、ボーッとした時を過ごしながら夜が明けるのを待つ。
頭の中は昨日の記憶が、ガ〜ンガ〜ンと鈍い音を立てながら、くるくると回っている。
「先生に会いたくないな〜。自分の気持ちの返事もしないといけないし・・・」
重い気持ちのままロビーへ。救世主は1杯のカプチーノ。
心を落ち着かせながら、西村先生を待つ。数分後、先生が下りて来られた。
先生は何もなかったように「おはよう」の挨拶をくれ、パソコンと向かい合う。
いつもの朝と変らない光景だ。
私は覚悟を決め、やっとの思いで話をさせていただく事に・・・。
先生はパソコンの手を止め向かい合い、私のたどたどしい本音を真剣に聞いてくださり、それに対し適切な答を返してくださいました。(話す事30分)
この貴重な時間を頂いたお蔭で、「雨降って地固まる」のことわざ通り、心は新地状態に戻りました。
それからの私は、超ハイテーションで素直な心も取り戻し、最終日までずっと笑顔で過ごすことが出来た。内容ですか?それはシークレットにさせてください。
西村先生、優しくお気遣いある対応をしていただき、本当に感謝いたします。
西山はもう大丈夫です。

その朝も大量の朝食を摂セミナーに備えた。 落ち込みも早い変りに立ち直りも早く、それも何十倍もの力をつけて、立ち直るのが私の利点だ。その効果か、今日は全5クラスのセミナーを受講します。

9時からは形クラス「ジオン・燕飛」FUGAZZO先生です。
先生とお弟子さんの、真剣に取り組む姿は、いつも変らない。
FUGAZZO先生の穏やかな口調と相反して、力強くスピードのある動きは見ている私たちにやる気を起こさせてくれる。
先生の厳しい一面は、練習が始まったら休憩を取りません。 水を飲む事が出来ず、75分間喉の渇きに耐えながらの練習は無事終了。

その後、メンバーと合流して西村先生のセミナーへ参加。詳しい内容は、三宅先生から。
先生のキッズクラスは、ユーモアたっぷりに指導されるので、子供達も笑顔で練習に励んでいる。それでいて、三宅先生の言うように、1つ1つの動作に組手に必要な筋力や、反応能力等を高める要素が入っていて、練習していくと確実に能力がアップしていく。
ほんとに奥が深いのです。

夜は、先生が案内をしてくれた中華料理店。
私は、会場であまりのかわいさに衝動買いした、スポーツメーカー「KWOON」の真っ赤な上下のトレーニングウエアーを着て町へと繰り出した。
胴が切れていて、おへそが見えて、セクシ−なはずなのだが・・・。
少年体系の私が着ると、かわいいだけ?の物に。
それに輪をかけ、メンバーからは「すごい腹筋だね」と言われ殆ど女性として見てくれていない。『最近少し鍛えておりますが、それが何か?』(怒)

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西山さんの大胆なウェアー!!

お店では少し辛めのメニューを注文。どれも口に合い美味しかった。ご馳走さまでした。
西村先生・三宅先生はもちろんビールとワイン。
ここドイツに来て、お二人の手からビアグラスが離れた事がない。
三宅先生は酔えば饒舌になるし、こうなるともう誰も止められない。
永遠と西村先生に話しつづける勢いだ。
そのうち先生も我慢が限界になり、上手くかわしてホテルに帰るのです。
その後の犠牲者は同室の海君。その勢いのまま、夜どおし語られているそうだ。 お気の毒に・・・。
朝のテンションの低さは、これが原飲!(原因)かも。

セミナー2日目だが、本当に練習が楽しく感じ始めてきた。
心身共にパーフェクトの状態で眠りにつきます。

西山すずみ旅日誌より