8月1日(金) ジュニアカップ・持ち込み禁止(?)
- Part.1
- Part.2
- Part.3
セミナー最終日。
いよいよ、セミナーも残すところこの一日のみである。
この日の組手スペシャルコースは、お休みであったが、9時30分〜14時まで、ジュニアカップトーナメントが開催された。
この試合に、佐々木海君を出場させることになっていた。
西村先生は、10時30分からクラスを受け持っていたため、自分が、付き添いとして、佐々木海君に付き添うことになった。
7級のクラス指導です
とりあえず、申込用紙は受け取っていたものの、ドイツ語が読めず、しかも、申し込み場所が分からない。
場所は、先日、マスターカップが行われたオーベルシュバーベンホール。
とにかく会場へ向かう。
会場へ到着するものの、やはり申し込み場所のようなものが分からない。
仕方なく、関係者に聞いたところ、すでに申し込みは終わっていたとのこと。
まずい!!!
しかしここで諦めるわけにはいかず、人事を尽くして天命を待つような心境で、掟破りの悪足掻きをすることにした。
たまたま、我々の会話を聞いていた、別の関係者が、自分と海君を見て、それから申込用紙を見た。
自分は、チーム名にJAPAN(Nishimura)と書き込んでいた。
それを見て、彼は、「O.K O.K」といい、我々を本部席まで連れて行き、登録してくれたのだ。
というわけで、第一関門突破。
本来ならばあり得ないことが起きたのだ。
あとは選手に頑張ってもらうだけ…ところが、肝心の海君のテンションがめちゃくちゃ下がってしまっている。
雰囲気にのまれてしまって、アップすらしようとしない。
で、やっぱり試合は、1回戦敗退…。
こりゃ仕方がないな…。
というわけで、車なら10分ほどの道のりをてくてく歩いて、西村先生のもとへ。
試合に負けたら、当然、西村先生のセミナーのお手伝い。
試合のビデオを見て、西村先生、
「海、今日は、おまえが俺のアシスタントだ!」
まあ、ふがいない内容だったから仕方がない。
早速、11時30分〜13時の8〜9級コースへ。
すると、試合では見せてくれなかったような飛び込み上段を海君は西村先生相手に出しているじゃないか!!!
まったく…。
8〜9級のクラスです。みんな熱心です
とはいえ、付き添いを頼まれながら、選手の実力を引き出せなかったことに、大いに反省をしなければならない。
まだまだ力不足を大いに感じる出来事であったといえる。
しっかりと、選手のコンディションを把握し、普段の実力と、会場での選手の状態を分析して、選手が満足に戦えるように持っていってやるのが、コーチとしての役割である。
従って、選手が満足な状態になるように持っていくには、コーチと選手の信頼関係、万全なコンディション作り、不安を取り除いてやることなど、さまざまな下準備が必要なのである。
それを理解したうえで、実際にどこまでこうしたことができるのか…。
今後の大きな課題の一つであるといえるだろう。
いろいろと勉強しなければならないことだらけである。
さて、昼食へ向かう。
最後なので、昼食のシステムについて、少し記述しておく。
昼食は、日替わりメニューのメニュー1と、固定メニューである、チキンサラダのメニュー2のいずれかから選べるようになっている。
チキンサラダは、すっぱいドレッシングがたっぷりかかっていて、疲れた時には、さっぱりと食べられてよい。
日替わりメニューのほうは、日によって変わるが、大体スパゲッティーである。
味が日替わりで変わるのだ。
こちらは、おなかがぺこぺこにすいているときには、エネルギー補給にちょうど良い。
ドリンクは、3種類のフルーツ味の付いたミネラルウォーターから選ぶ。
炭酸ジュースやビールなどもあるが、別料金(本来は)。
こうした昼食を戴いて、いよいよ午後のクラスを二つ受ければ、セミナーは終了となる。
午後のクラスは、14時15分〜15時30分のGruss(グルース)先生による護身術講義。
Gruss先生は、フランス空手道連盟の最高師範で、9段を取っておられる。
Wolf先生の講義同様、両手を使って、さまざまな動きを練習した。
また、Gruss先生のおっしゃっていたことであるが、空手は、日本のオリジナルのものであるので、技の名称や、数の数え方などは日本のオリジナルのものを使うのがよいという趣旨のことを話されていた。
(Gruss先生は、フランス語で講義をなされ、それをドイツ人の通訳がついて、説明されていました。)
15時30分〜16時45分のCampari(カンパリ)先生の形のクラスを西山さんが、受講した。
形は、観空大。
Campari先生は、日本人の奥さんを持つ大の知日派で、非常に明るく、物腰の柔らかな先生であった。
このクラスの説明は、西山すずみさんに譲ろうと思う。
いよいよ、最後のクラスは、前述のGruss先生。
1〜3級コースであった。
いよいよ最後かと、疲れ切った体に最後の鞭を入れて行う。
内容は、いわゆる約束3本組手方式の練習で、上段突きに対して上段あげ受けで返し、中段突きに対して払い受けで返すのと同時に背刀打ちして、上段に猿臂打ちを極めるという約束組手を繰り返し、左右、反復練習した。
その他、いくつかのパターンを約束組手形式で練習した。
いずれの動きも、足さばきや受けるタイミングをしっかりとはかり、すばやく動くことを要求された。
また、立ち方の正確さや、安定感などの説明もなされ、非常に日本の先生の雰囲気がよく出ていた。
こうして、5日間の全日程が終了した。
練習を本当によくやったと思う。
終わった瞬間、本当に終わったという充実感に包まれた。
実際、やつれるほど大変だったからだ。
車の中で、5日間の感想を語り合いながら帰る。
その後、さよならパーティーが企画されており、ホテルで着替えた後、会場のレストランへ向かう。
会場の場所を、実はみんな知らなかった。
とりあえず行ってみる。
やっぱり間違えちゃう。
そこで、KJCにて会場の場所を確認しに戻る。
そんなこんなでようやく会場のレストランに入る。
日本人の意識ならば、パーティー終盤ぐらいの時間に入ったはずなのに、ここでは、まだまだ全然参加者は集まっていなかった。
どういうことだろうと思っていたら、何でもこのさよならパーティーは、夜更かしを楽しむようなパーティーで、騒ぎまくるらしい。
というわけで我々Team Nishimuraは、健全に楽しむことにすることとなった。
さよならパーティーはディスコです
さて、レストランで飲み物を注文すると当然ながら、料金が発生する。
西村先生と自分は、西村先生のキャリーバッグにビールを隠して持ち込んだ。
そのため、店の中ではなく、テラスの席に座る。
いや〜ビールがうまい!!!
ドイツビールは、日本のビールのような切れというかのど越しはないが、味がしっかりしていて、少々ぬるくてもそれなりに飲める。
席には、ドイツで道場を経営しているというセミナー参加者の一家とその生徒を交え、和やかな雰囲気で歓談した。
その時、ウェイターさんが、目ざとく、我々の瓶ビールの銘柄を見て、このビールはうちの店には置いていないものだから、持ち込むのはやめてくれと怒られてしまった。
少しテンションダウン。
しかしビール1本じゃ、ねぇ…。
怒られても懲りない私は、西村先生に、
「もう1本、飲んでもいいですか」
と尋ねたら、明らかに呆れた顔で、
「いいけどバレ無い様に飲めよ」
とお許しが出た。
本当に呆れておられたに違いない。
ま、最後だしいいだろう。
そんなこんなで、いろいろとハプニングや失態はあったけれども、参加者全員が心から楽しんだセミナーとなった(と思う。問題は、西村先生が呆れていないかどうかぐらいだろう。)
いやぁ、自分もそうだが、見事にマイペースな人々の集まりで、こんなに個性がぶつかり合う集団の中に入ったのも久しぶりというぐらい個性的なメンバーであった。
もちろん、楽しい観光や、いろいろな思い出づくりも行ったが、そちらの文は、他の参加者の皆さんに譲ろうと思う。
以上、三宅 遵によるラベンズベルグ旅日誌を終了する。
三宅遵旅日誌より
今日、試合をしました。
けど、1回戦で負けてしまいました。またまた緊張しまくって、相手にボコボコにされてしまいました。試合後、西村先生の恐怖の特訓が待っていました。
試合よりも、レッスンよりもきつかった。
今日でドイツでのレッスンが終わりです。あっというまでした。でも体はあちこち重い。
三宅君の足が爆発しています
佐々木海旅日誌より
最後のセミナーです。
今回のセミナーでは、西村先生の恩恵を受け、講師陣にずいぶん目を掛けていただき、優しく接していただきました。私が5日間元気でがんばって来られたのは、この辺の要因もあると思う。
これだけ優遇されたセミナーで頑張れない訳はない。特に私はそれを強く感じる。
今日1日でも形のFugazzo先生、私の単語を並べただけの質問に、理解してくださり、真剣に回答いただいた。古武道のリー先生、傍まで来て棒の使い方などを丁寧に説明してくださった。最後には数分間ではありますが個人指導までしていただいた。指摘されたところが、西村先生から毎回指摘されていた箇所だったので、驚いてしまいました。
最後はCanpari先生。このセミナーは、サマーキャンプ1番の思い出となった。
先生は、日本人の奥様を持たれるほどの、親日家で道場も「山」道場と名づけているらしい。
形は「観空大」なので、今回は形分解に専念できる。
準備運動中、先生が話し掛けられてこられ、「言葉が分りますか?」と聞いてこられたので「日本語だけです」と返事。
するとセミナーの形分解が始まっての、第一声が日本語だったのです。
一瞬耳を疑ったのですが、その後も単語ですが「技の緩急」など難しい言葉も使っていただき、一番日本語に触れた形クラスでした。日本人は私しかいませんので、多分、私の為だったのだろうとプラス思考で考えるのです。
その後も、ご自分が組んでおられた、お弟子さんを私に組ませていただいたり、横に来て分解を再度ゆっくり説明してくださったりと、涙が出そうなくらい、感動的なセミナーを受けました。
私が、これほどがんばれた要因は、こんな優しさに包まれていたからでしょう。
西村先生に「講師の先生方はほんとに優しい方ばかりですね」と言った時に「世界トップになった人間は皆優しいよ」と言われていた。本当だ。西村先生もわがままをいつも受け止めてくれている。
講師陣の深い心に触れ、私のドイツサマーキャンプはこうして終わりを迎えた。
ドイツでも大人気のタイボウの先生
西山すずみ旅日誌より