2007 USオープン国際空手道選手権大会 旅日記

和道会錬空館支部
津田公子

日程3日目:4月7日

形の部、組手団体戦

さあ、今日はUSオープンの第1日目です。天候は快晴で、私たちは早々に準備を済ませて試合会場であるシーザーズパレスホテル内のイベントセンターに向かいました。

第1日目は武器の部、形の部、団体戦が行われました。武器の部というのは、棒、ヌンチャクなどを用いた形で、私はこれらを初めて見ました。会場にはTシャツ、胴着、その他を売っている店があり、ブルースリーの好きな彬はここでヌンチャクを見つけて欲しそうにしていました。形の部は日本チームのメダルラッシュでした。彬は10~11歳男子の上級者のクラスに出場しましたが、スーパーリンペイ、アーナンの前にあえなく散ってしまいました。しかし、同じクラスに出場していた栗山君は見事銀メダルを獲得し、さすが和道会ジュニアナショナルチームだ、と感心しました。

組手の団体戦も日本チームの成績は素晴らしく、日本チームが出場したクラスではほとんど金メダルを取っていたように思います。今回の組手はメンホーを使用せず、マウスピースをつけての試合なので、怪我がないかととても心配をしました。メンホーがないのできっと顔面の外傷が多発するだろうと思い、実は出発前に耳鼻科の先生に顔面外傷についていろいろと教わってきました。しかし、実際試合が始まってみると上段突きが顔面に直撃することはほとんどなく、少し鼻血が出る程度でした。さらに、外人はかなりのオーバーリアクションで、ちょっと蹴りが頬をかすった程度(はたからみているとそう見えるだけかも知れませんが)でもかなり痛がり、さらに小学生はすぐに泣いてしまうので、これならばメンホーは必要ないだろうと納得しました。

彬は今回はマウスピース初体験だったのですが、試合前にこれをつけると息ができないと言い出し、どうしようかと困っていました。西村先生に相談したところ、どうも奥歯にあたる部分が長かったようで、ここを切ってやると息ができるようになったと言っていました。彬は団体戦の先鋒で出場しましたが、チームの皆さんのお蔭で見事優勝することができ、金メダルをもらってとても喜んでいました。彬はいままで、自分から攻撃をすることができないという大きな課題があったのですが、団体戦が与える効果、また、試合中に西村先生に声をかけてもらっているという効果が相乗作用となって、別人かと思うような積極的な試合をすることができました。

Mathew and Zach

今回の大会の収穫は、団体戦の金メダルだけではありませんでした。この大会は規模が大きく試合数が多いために待ち時間も長くあります。この間に、彬はアメリカチームのMathewとZachと友達になっていました。彼らは彬と同じクラスに出場していた選手で、形の試合が終わった後はずっといっしょにひっついて遊んでいたようです。彬は英語を全く知らないので会話は成立しないはずです。また、彬はどちらかというとおとなしい性格で全く社交的ではありません(西村先生曰く、「津田は暗い」そうです)。

その彼がどうやってコミュニケーションをとっていたのか不思議です。しかし、Mathew,Zachもおとなしい子供たちであった様子で、気があったのかも知れません。彬は短期間にいろいろな言葉を習ったようで、結構本格的に英単語を発音していましたのでこれにもびっくりしました。彬は、来年また大会に出場して彼らと話をするために、今年は英会話の勉強をすると言っています。親としては、英会話を習わせる絶好のチャンスができたので、彼らにはとても感謝しています。

体調を乱す

試合会場はとても空調が効いていて寒く、また私は一日中じっとしているという普段置かれたことのない環境にさらされ、さらにアメリカの食事の効果も加わってついに体調を崩してしまいました。この日は、吉田ソースの会長が日本チームのためにパーティーを開催してくださったのですが、試合が終わって部屋に帰ってから寝てしまい、残念ながらパーティーには出席することができませんでした。

その後は睡眠をとったことで少し元気が出たので、部屋に遊びに来てくれた丸谷君と彬と3人で夜のお散歩に出かけました。ホテル内のForum Shopをぶらぶらと見て回ったのですが、ローマ帝国をモデルとした彫刻、噴水のある広場が多数あり、歩いているだけでも十分楽しめました。そして、流石、ここにあったおもちゃ屋の前には大きなトロイアの木馬があり、木馬のなかがエレベーターになっていましたので、3人で喜んでエレベーターに乗りました。