2007 USオープン国際空手道選手権大会 旅日記

和道会錬空館支部
津田公子

日程4日目:4月8日

何故か部屋の時計が1時間進む

USオープン第2日目、本日は組手の個人戦です。

体調不良がたたったのか前日に目覚ましをかけ忘れ、気が付いたときには、部屋の時計が8時20分を指していました。とりあえず彬だけを会場に向かわせ、私たちも早々に準備をすませて大慌てで会場に向かったのですが、なぜか周囲を歩く人たちは余裕があるのです。少し不思議な気持ちがしたのですが考える余裕もなく、私のいない間に怪我人が出ていては大変と思い、会場に駆け込みました。

試合は8時から開始の予定なのに、私が会場についたときにやっと始まった様子で、ほっとしましたがやはり不思議な気がしました。会場で他のお母さんから、今日はみんなの部屋の時計が1時間早くなっていて西村先生はその時計の7時20分(実際は6時20分)に会場の前に来て待っておられたが誰も来ないのでおかしいと思っていったん部屋に帰られたこと、自分も朝の6時過ぎにルームサービスを頼んだが、実際は5時過ぎであったことなどを聞き、この時点で腕時計を見て自分の部屋の時計も1時間進んでいたことに初めて気付きました。しかし、結果的には試合に間に合ったことにはほっとしました。

イタリアチーム

個人の組手も日本チームの活躍は目を見張るものがありましたが、ポイントの判定と反則の判定がかなり厳しくなっており苦戦をしいられる場面も多々ありました。彬は2回戦であえなく敗退しましたが、友人のMathewは優勝していました。やはり、外人は同じ年齢でもかなり背が高く、リーチが長いのでこの対策を練らないといけないと思いました。しかし、片田舎で細々と空手をしていた彬が大きな外人を相手に果敢に向かっていく姿を見て私は親として胸が熱くなり、結果にかかわらず、この試合に参加した意義の大きさを痛感しました。

この日、賞金クラスの決勝戦が午後7時30分より行われました。決勝戦は会場を1コートに作り直し、華々しく開幕しました。私の注目は良い男揃いのイタリアチーム男子です。これがまた、ほとんどのクラスの決勝戦に残っており、私はこのときだけは体調が悪いことを忘れて椅子の上に立ち上がって応援していました。さらに、模範演武を行ったのがまた、2006年男子団体形競技のworld championであるイタリアチームで、姿だけでも美しいのに、スピーディーで力強く、鋭く極めのある形にくらくらしてしまいました。

その後の極めつけは西村先生と河野先生の椅子取り、短刀取りの模範演武です。これはさすがになかなか真似のできない燻し銀の巧の技で、日本で培われてきた武術ならではの静の中にある技の美しさを垣間見た気がしました。

タクシー

決勝戦はまだまだ続きますが、遅くなるので会場を抜け出して日本チームはタクシーに分乗して大会の打ち上げ会場であれる日本食レストランに向かいました。アメリカのタクシーはカーナビが付いているわけではなく、運転手もどうも地理に怪しいようで、住所と店の名前を伝えてもわかっているのかわかっていないのか不安な様子でした。結局は乗客である私たちが道沿いの建物や看板に書いてある番地を見ながらやっと目当ての店にたどり着くという状態でした。タクシーにたたられたグループはいくつかあったようで、中には別のレストランに連れて行かれ、1時間も経ってからやっと到着したグループもあったようです。打ち上げでは、楽しく食事をして、選手の一人ひとりが試合の感想とラスベガスの印象について述べましたが、今回の試合で得たものは皆さん多くあったようでした。

私たち数人は一足お先に失礼してホテルに帰りましたが、後に残った皆さんはさらにタクシーにたたられたようです。打ち上げ会が終了してタクシーを呼んだところ乗車拒否をされ、やっとタクシーを呼んでホテルにたどり着いたのは午前2時を過ぎていたらしいのです。原因はホテルから店に行くときにチップの払い忘れがあったようなのですが、こういうことはすぐに広まるので恐ろしいなと思いました。ちなみにタクシーのチップは表示された料金の15%が平均のようです。チップ制は日本とは異なる習慣なのでとても面倒ですが、チップで生計を立てている人たちには重要な問題なのできちんとしなければいけないことを再確認しました。