道場めぐりは和道会の会報誌「和道」に好評連載中!! |
8月初旬、夏真っ盛り。この時期、全国の和道っ子が全国大会に向けて稽古に励んでいる。そんな中、大阪市旭区にある「大阪和道館」を訪れた。道場は住宅地にあり、その壁には各大会の賞状があふれるほど並んでいる。2階の和室にも入賞を果たしてうれしそうな子供たちの写真がたくさん飾られている。
浅図先生は昭和39年、中京大学体育学部に入学。河野輝雄師範から空手指導を受ける。卒業後、中京大OB数人で道場を開設。指導は初めてで、手さぐり状態でのスタートだった。出る大会、負けばかり。当初は指導方法にずいぶん悩んだ。それでも選手たちには「とにかく前にでろ、絶対後ろにはさがるな」と繰り返し言ってきた。「いつか日本一を出したい」と思ってきたという。小さな選手たちもがむしゃらに、そして先生もがむしゃらに空手に向かい合ってきた。年月が過ぎる中、創設メンバーもそれぞれの事情から空手指導から離れていったが、小さな大会で少しずつ入賞者がでるようになった。最初の頃はうれしくて、どんなに小さな大会でも入賞者がでるたびに祝杯をあげた。今ではそんなエピソードもほほえましい昔話だ。今は全国規模の大会で次々に上位入賞者を排出。そして各都道府県の代表が集った全日本少年少女大会で真の『日本一』を手にした。浅図先生の30年来の夢が叶った瞬間だった。 現在、小学校1年生から中学校2年生までの70名の選手が所属。師範・コーチが合わせて6名。選手の年齢・レベル別に毎日稽古を行い、火・金曜日は全体稽古を行っている。取材に訪れた火曜日は全体稽古の日。近所の養護学校の体育館で行っているというのでおじゃまさせて頂いた。体育館に到着すると、70名近い子供たちが暑さを吹き飛ばす勢いで駆け回っている。体育館が狭く感じるにぎわいだ。しばらくすると浅図先生の大きな声が響く。稽古はレベル別に分かれて行う。初心者は近藤哲師範のもと、基本の突きの稽古や足の位置の確認などを行う。低学年は形を中心にした基本稽古。練習中でも元気がありあまっているといった様子。高学年・中学生は主に組手の稽古。浅図先生は順番にそれぞれを指導して回る。 今年の全国大会、この道場からは16名が出場予定だ。間近に迫った大会に向け、出場予定選手は特別に稽古を行っている。さすがに気迫が違う。各自調整もずいぶん出来ているように見受けられる。低学年の選手であっても簡単に声などかけられないほど、熱心だ。去年の全国大会では準優勝が3名、第3位が2名、ベスト8位が9名という輝かしい成績を残しているだけに、今年も活躍が光ることは間違いない。 今後の目標を先生にお伺いすると、「どんどん日本一の選手を出していきたい」と自信に満ちた顔でおっしゃられた。長年苦労して築いてきた夢に、今はしっかりとした手応えを感じているようだ。 |
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