道場めぐりは和道会の会報誌「和道」に好評連載中!!

 春が訪れ、すっかり過ごしやすくなりました。選手のみなさんも夏に向け、本格的な稽古に取り組まれていることでしょう。さて今回、このコーナーは一気に北へ飛び、北海道から和道会の仲間を紹介します。札幌市にある「北空館」のみなさんです。

 「北空館」は昭和58年、北区体育館竣立に伴い札幌市体育協会の委嘱による空手教室として発足しました。谷澤一雄師範(和道会副理事長・道空連理事長)、遠藤芳明支部長、勝原広指導員のもと北海道工業大学OBが指導する道場として誕生しました。5年後には勝原広先生が支部長に就任され、現在に至っています。来年は創設20周年を迎えます。

 取材に訪れたのは2月下旬。その日は時期としては暖かく、天候に恵まれた日でした。夕方6時、名所である時計台前で支部長の勝原広先生と待ち合わせ。グレーのコート、赤いマフラーというシックな装いの勝原先生は一見空手家には見えません。ジョークを挟みながら気さくに取材に応じて頂きました。普段、会社員をされている勝原先生はいつも仕事が終わり次第、6時半から始まる稽古に急ぎ足で駆けつけます。この日も先生と一緒に練習場へダッシュ!! 到着した時には北海道工業大の先輩たち指導のもと、ウォーミングアップが始まっていました。雪残る北海道。さぞ寒い中で稽古をしているのかと思いきや、設備の充実した体育館内はとても快適なのでまずは一安心。

 現在の所属生徒数は約60名。広地域から生徒を集っているため、火・木曜の週2回の稽古は別々の場所で行い、生徒を分ける形をとっています。取材に訪れた木曜日は、札幌市北区体育館での練習日。ここは市委嘱の空手教室のため、どんな方でも参加可能です。下は保育園児から上は70歳近い女性まで様々な方が稽古に励んでおり、帯の色も各色揃っていて、とてもカラフルな印象を受けます。

 そしてもう一つ印象的なのは、指導者の方々もそれに負けじと実に個性豊かな指導をされていること。基礎稽古の後、生徒たちは帯の色別に分かれ、各指導者のもとで稽古を再開。すると生徒よりも大声かつダイナミックな動きで指導される方もいれば、一つ一つゆったり指導される方、ミットを持って生徒たちのキックをバンバン受ける方もいたりと様々です。そんな自由闊達に指導にあたる姿はとても楽しそう。そしてこの空気こそが「北空館」に一体感をもたらしています。

 また休憩時間も大事なコミュニケーションの時間になっています。稽古でわからなかった部分を教えてもらう生徒たちや指導者との会話に花を咲かす生徒たちと、指導者と生徒の間に壁はあまりないようです。年少の生徒などは、まるで兄弟のように指導者を慕っているのが見てとれます。見ていて楽しくなる光景で溢れています。しかし年少の生徒はすぐ飽きてしまったり、時間が遅くなると眠くなってしまうことがあります。そこで稽古に集中させるため、保護者の方々は稽古場に立入禁止という厳しい一面もあるそうです。

 「巣立っていった子供たちがこの教室ことを覚えていて、何年も経ってから訪ねてきてくれるのが一番嬉しい」という勝原先生。東京に就職したOBや生徒は明空義塾(前田利明先生)を始め、関東の道場でも空手を続けています。そして「これからもずっと変わらない教室でありたい」とのこと。個性豊かな人たちと伸び伸びと空手を楽しみ、良き思い出を育む生徒たちにとって、この教室がいつまでも変わらずにあることこそ「北空館」の最大の魅力です。

INFORMATION
練習【Date・ Place・Time】
火曜日−あいの里西小学校(19:00〜21:00)  
木曜日−札幌市北区体育館(18:30〜20:45)

連絡先 支部長:勝原 広 
〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西2丁目北海道経済センター4F(株)メディアプラン内
TEL. 011-232-5111

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