道場めぐりは和道会の会報誌「和道」に好評連載中!!
新年を迎え、各支部・道場のみなさんはどのように過ごされているでしょうか? 今年も全国各地で開催される大会に向けて、気分も新たに稽古を再会することでしょう。今年もこのコーナーでは全国各地で活躍するみなさんの仲間をどんどん紹介します。
さて、新年始めに登場してくれるのは岐阜県の「岐刑支部」のみなさんです。
岐阜県は世界の若井敦子など多数の強豪を輩出する空手激戦区である。そんな中、「岐刑支部」も全国レベルで活躍する選手が多く在籍し、昨年夏の第45回学連大会の組手個人戦で、みごと全国制覇を果たした松久功選手も籍を置いている。当然、厳しい稽古が日常的であることは想像に難くない。しかも昔は岐阜刑務所という道場名だったと聞き、取材前から内心ドキドキだ。


岐刑支部 第37会和道会全国大会成績
●形の部● 一般女子準優勝・堀真由子 / 少年男子優勝・堀博征、第3位・二村大地
中学男子優勝・小野木顕憲 / 小学3・4年男女準優勝・出屋敷綾音、第3位・酒井祥悟
●組手の部● 少年男子優勝・堀博征 / 小学5・6年男子準優勝・滝森孝造

 取材に訪れたのは、寒さも厳しくなってきた12月初旬。取材に応じて頂いたのは、所正敏先生と神田義三先生。ユーモアに溢れた所先生とテンポよく話す神田先生との会話はとても愉快で、失礼ながら取材前に抱いていたイメージはどこ吹く風だ。しかし、いざ空手の話となると両先生方の目はとても真摯で、空手に対する情熱が本物なのはすぐに見てとれる。「大会が一段落したので、今日はリラックスしてやっています。気楽に観てください」と案内されたのは、岐阜駅から程近い長良西小学校体育館。毎週火・土曜の2回、ここで練習を行う。

 この日は総勢50名以上の選手が稽古に参加していた。まずは全員で形の基本練習から始める。50名以上の道着が一斉に、ビシッと音を切る。気持ちいいほど揃う光景はカッコいいし、圧巻だ。体育館に通される前に伺っていた『勝つ秘訣』。両先生とも迷いなく言い放ったのは「練習量!! それ以外にあるなら逆に教えて欲しい」とのお言葉。なるほど、このレベルになるには何よりまず根気が要されるだろう。

 この日は総勢50名以上の選手が稽古に参加していた。まずは全員で形の基本練習から始める。50名以上の道着が一斉に、ビシッと音を切る。気持ちいいほど揃う光景はカッコいいし、圧巻だ。体育館に通される前に伺っていた『勝つ秘訣』。両先生とも迷いなく言い放ったのは「練習量!! それ以外にあるなら逆に教えて欲しい」とのお言葉。なるほど、このレベルになるには何よりまず根気が要されるだろう。

 「岐刑支部」は昭和52年、当時この小学校近くにあった岐阜刑務所職員だった所先生と神田先生によって、岐阜刑務所内道場で同じ職員を対象に開設。開設当初から60名ほどの職員が集まった。数年後、地域住民の子供達が空手指導の噂を聞きつけ、徐々に一般生が増えていった。その後、小学校で一般生のみを対象に指導を始めた。開設から約25年。現在でも指導者は現職刑務官である所先生を中心に、刑務所職員とこの道場出身の選手たちで構成されている。それゆえに結束力は固い。選手の1人、堀真由子選手は3才から空手を始め、今年で空手生活16年目。去年の全国大会、形で準優勝を果たす。「やめたくなったことは何度もあります。でもここには戻ってきてしまう魅力があるんです」と堀選手はいう。実は堀選手のお母様も堀選手につられるように空手を習い始め、今では資格を取得し、立派な指導者となっている。その他にも週2回、車で片道1時間かけて通ってくる4人兄弟もいるというから、ここの選手たちと支援を惜しまない保護者の方々の熱心さには驚かされる。

指導者・選手・保護者が三位一体となり、空手に対する情熱と家族的な温かさでこの道場を育て上げている。岐刑支部みんなの夢である『いつか世界の大舞台』での活躍はそう遠い夢ではないだろう。

INFORMATION
練習【Date・Place・Time】
火・土曜日-長良西小学校体育館(19:00〜21:00)

連絡先:所 正敏
〒504-0901 岐阜県各務原市那加東新町2-46
TEL. 0583-82-1632

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