道場めぐりは和道会の会報誌「和道」に好評連載中!! |
道場めぐりが久々に九州へ上陸。今回は福岡県八女市の正空会八女を紹介する。 福岡県南部に位置する八女市。八女茶の生産や伝統工芸産業が盛んである。今回訪れた「正空会八女」はその八女市の体育館を拠点に活動する道場だ。 「正空会八女」は師範の川口善文先生が昭和59年9月に創設。当初門下生の数は10数名だったが、川口先生の地道な努力もあって年々少しずつ増加し、現在では小学生を中心に70名程が在籍。和道会の各大会の他、正空会大会や地域の大会などでも活躍を見せている。稽古は市内の総合体育館で週に2回2時間程行われ、川口先生や数名のコーチの他、和道会上津支部の師範・寺島雄三郎先生なども指導にあたっている。 川口先生に指導方針を尋ねると、「私は勝敗にこだわりますので、まずは試合に勝つための指導をしています。試合に出す以上はやはり勝たせてやりたい」と話してくれた。そして、「その次は挨拶ですね。最近の子供は挨拶ができないので、その辺を厳しく指導しています。それから、(腕力を用いた)ケンカをしないようにも指導しています。空手はケンカの道具ではない。相手が先に仕掛けてきた場合は仕方ないですが、自分から手を出さないように常々言い聞かせています。保護者の方にもケンカをしたら道場をやめさせると伝えてあります」と続けた。しかし、「昔と違って最近の子供はおとなしいので、殆どケンカもしないようですから、あまり心配する必要もないのかもしれません。ですから、稽古のメニューも、子供たちの変化に合わせています」ともいう。つまり、子供たちにあまり無理をさせないような稽古を考えているようだ。 ところで、この道場には高校生も10名程在籍し、中心選手として稽古に励んでいる。しかし、「都会と違ってこの辺りの高校は空手を指導できる顧問がいないんです。だから、空手部といっても愛好会みたいなもので、高校生は各自で自宅近くの道場に通って稽古をしています。そして、高体連の大会に出場するときだけ各道場から高校の空手部として集まるんです」と地域の状況を先生が説明してくれた。 川口先生の指導者としての意気込みは強まる一方だ。そんな師範から指導を受けている門下生たちが、将来空手の選手としても人間としても大きく羽ばたいてくれることを期待したい。「正空会八女」から世界で活躍する選手が出る日もそう遠くないかもしれない。
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